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◆ 広告の読み方(その4)

 不動産は、ひとつとして同じものがないもの。
 どのような土地に建っているかも調べずに買ってしまうと、後で後悔することに。
 現地周辺に住んでいる人に聞いてみることも、不動産を選ぶ際のポイントです。

17.用途地域、建ぺい率・容積率

 用途地域には、「第1種低層住居専用地域」、「第2種低層住居専用地域」、「第1種中高層住居専用地域」、「第2種中高層住居専用地域」、「第1種住居地域」、「第2種住居地域」、「準住居地域」、「近隣商業地域」、「商業地域」、「準工業地域」、「工業地域」、「工業専用地域」の12種類があります。建築基準法では、用途地域ごとに、建築できる建物の種類、建ぺい率、容積率、北側斜線制限、建築物の高さ制限などの規制をしています。12種類の用途地域のうち、工業専用地域にだけは、住宅が建てられません。

●建ぺい率●

 建築面積(建坪のこと)の敷地面積に対する割合をいい、用途地域と建築する建物の種類などによってその最高限度が定められています。たとえば、敷地が120m2、建ぺい率が40%のとき、建築面積は、48m2(120m2×40%)以下にしなければなりません。

●容積率●

 延べ床面積の敷地面積に対する割合をいいます。たとえば、敷地が120m2、容積率が80%のとき、延べ床面積は、96m2 (120m2×80%)以下にしなければなりません。

18.利用の制限や欠陥のある物件

 広告には都市計画法、建築基準法その他の法令による重大な利用の制限や物理的な物件の欠陥(瑕疵)があるものや、消費者にとって著しく不利益となる事項について、明りょうに表示するよう義務づけています。このような物件は、欠陥のない普通の物件に比べ、利用価値や資産価値はかなり低いものです。一見して安い物件は何らかの欠陥があるのではないかと疑ってみる必要があります。

■市街化調整区域の土地・現況有姿分譲地

 市街化調整区域の土地は、原則として土地の造成工事や住宅などの建築ができないという厳しい制限があります(一定の要件を充たせば、例外的に認められる場合があります。)。
 このため、市街化調整区域の土地の広告には「市街化調整区域。宅地の造成及び建物の建築はできません。」との定型文言を、原則として16ポイント以上(約5.6mm四方の大きさ)の文字で表示することとし、さらに、文字だけではなく、写真や絵図等による表示によっても、建物を建築できると誤認される表示を禁止しています。
  また、山林や原野などを造成工事をせずに販売するものに「現況有姿分譲地」がありますが、この多くは、市街化調整区域や都市計画区域外に所在するものです。現況有姿分譲地には、電気、ガス、水道などの生活施設はありませんので、市街化区域の土地であったとしても生活することはできません。

■道路づけの悪い欠陥物件

 建築基準法では、原則として、4m以上の幅の道路に、敷地の間口が2m以上接していなければならないものと定めています。この規定に適合していない場合は、建物を建てるときに必要とされる建築確認を受けられません。このような物件については「再建築不可」、「建築不可」と表示されます。

 代表的なものに次のようなものがあります。

  [1] 道路に2m以上接していないもの
   
  [2] 2m以上接しているが、法律上の道路には接していないもの。
   
  [3] 敷地が道路に全く接していないもの。
   
  [4] 2m接しているが、路地状部分(網掛部分)の幅とその長さの関係の制限が地方公共団体の条例で定められていて、これに不適合のもの。
   
    (注)[4]の制限は、地方公共団体によって異なります。制限してないところもあります。東京都の場合の制限は、次のとおりです。
   
路地状部分の長さ 路地状部分の幅
建物面積200m2未満 建物面積200m2以上
20m以下 2m以上 3m以上
20m超 3m以上 4m以上
     いずれも、建築確認が受けられるかどうかは、市役所、区役所などの建築行政の担当課で調べられます。

■路地状部分が30%以上の物件

 路地状部分(上記 [4] 参照)のみで道路に接する土地であって、その路地状部分の面積が全体の土地面積のおおむね30%以上を占めるときは、路地状部分を含む旨およびその割合または面積が表示されます。

■セットバックを必要とする物件

 敷地は4m以上の幅の道路に接していなければならないのが原則ですが、例外として4m未満の幅の道路であってもよい場合があります。このような道路は、建築基準法第42条第2項に規定されていることから、「2項道路」とか「みなし道路」といわれています。「2項道路」に接している場合は、原則として道路の中心線から2m後退した線が道路と敷地の境界線とみなされます。後退(セットバック)する部分は、道路として取り扱われますから、建て替えなどの際にはその部分は、建ぺい率や容積率の基礎数値から除外されます。

 下図の場合、点線部分が境界線、網掛け部分がセットバック部分となります。セットバックを必要とする場合はその旨が表示され、セットバック部分の面積が敷地面積のおおむね10%以上を占める場合は、その面積も表示されます。

■傾斜地を含む物件

 おおむね30%以上の傾斜地を含む土地については、傾斜地を含む旨およびその割合または面積が表示されます (分譲マンションおよび別荘地等を除く)。ただし、30%以上を占めるか否かにかかわらず、傾斜地を含むことにより土地の有効利用が著しく阻害される場合(マンションを除く)には、その旨およびその割合または面積が表示されます。

■がけ上・がけ下の物件

 土地が擁壁によっておおわれないがけの上またはがけの下にあるときは、その旨が表示されます。なお、地方公共団体によっては、条例等により、建物の主要構造部分を鉄筋コンクリー卜造にするなどの処置が必要となる場合があります。

■高圧線下にある物件

 土地の全部または一部が高圧電線路下にあるときは、その旨およびそのおおむねの面積が表示されます。通常は、その部分に電力会社等の地役権が設定されます。高圧線下部分の土地に、建物その他の工作物の建築が禁止されているときは、併せてその旨が表示されます。

■著しい不整形地

 土地の有効な利用が著しく阻害される不整形地や区画の地盤面が2段以上に分かれている等の著しく特異な地勢の土地については、その旨が表示されます。

  【不整形地の事例】

■その他

 朽廃した建物が存在する土地は、「売地。ただし、古家あり」等と、沼沢地や湿原、泥炭地等、計画道路にかかっている土地等については、その旨が表示されるほか、建築工事着工後、工事を相当期聞にわたり中断していた新築住宅や新築分譲マンションについては、着工時期や中断していた期間が表示されます。

19.建築条件付の土地

 土地を販売するに当たり、その土地に自己または、自己の指定する建設業者との間に、一定期間内に建物を建築することを停止条件(または解除条件)として販売するものを「建築条件付土地」といいます。土地のみの販売はされません。契約は、土地については売買契約、建物については建築請負契約の2つになります。

 この建築条件付土地を広告する場合は、[1]取引の対象が建築条件付土地である旨、[2]建築請負契約を締結すべき期限及び[3]この期限内に建築請負契約を締結しなかった時は、土地売買契約は白紙になり、土地の買主から受け取った金銭はすべて遅滞なく返還する旨が表示されるほか、建物の設計プラン(間取り図等)を示すときは、参考のための一例であり、このプランを採用するか否かは、土地購入者の自由である旨、建物価格などが表示されます。

20.土地の利用を制限する法律

 土地は、所有者でも自由に使ってよいものではなく、民法では「法令の制限内に於て自由」に扱うことができるとされています。そして、種々の法律によって、土地の利用が制限されています。その目的は、都市の健全な発達と整備を図ったり、自然環境を守ったり、あるいは、有効な土地利用を図り、人聞が安全にそして快適に住めるようにすることにあります。

 土地の利用を制限する法律のうち、主なものは次のとおりです。

    1. 都市計画法
    2. 建築基準法
    3. 宅地造成等規制法
    4. 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律
    5. 農地法
    6. 自然公園法
    7. 土地区画整理法
    8. 森林法
    9. 砂防法
    10. 土地収用法
    11. 河川法  など。

 このような法律によって宅地の造成や建物の建築が制限または禁止されているのに、その旨を広告に表示しないときは不当表示として規制されますが、宅地建物取引業法は、不動産会社にこれらの制限の内容を「重要事項説明書」で契約する前に購入者へ説明することを義務づけています。

 

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