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◇広告の読み方

不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)の表示基準をもとに、広告を正しく読みとるポイントを説明しましょう。

1.広告主

 広告の責任などを明確にするため、広告主の名称が表示されます。新築分譲住宅や分譲マンションなどの販売広告では、2以上の会社が共同の広告主になることがありますが、普通同じ程度の大きさの文字で会社名が表示されます。
 また、売主から販売をまかされた不動産会社だけが広告主となる場合は、売主の商号と免許証番号が物件概要欄に表示されます。広告主の取引態様が代理や媒介の場合は、物件概要欄をみて売主が誰かを確認しましょう。

2.免許証番号

 「国土交通大臣免許(2)第○○○号」「○○県知事免許(3)第○○○○号などと表示されます。信託銀行は「国土交通大臣届出第○○号」と表示されます。

3.取引態様

 広告主が売主(貸主)なのか、代理なのかまたは媒介(仲介)なのかが表示されます。
 売主または代理の場合は、広告主が購入者と直接契約ができますが、媒介の場合は、いわば結婚の仲人のようなもので買主と売主を引き合わせて契約の成立を手伝うだけですから、直接買主と契約できません。なお、この場合、買主は媒介業者に媒介報酬を支払うことになります。【「広告をするときのきまり」参照

4.売主と事業主

 たとえば、A社が開発した分譲宅地やマンションの全部または一部をB社が買い取って売主として販売する場合、「事業主A社 売主B社」と表示されます。会社によっていろいろな企画や設計の特徴がありますから、もともとの事業の主体を明らかにして消費者の判断の目安にするためのものです。

5.不動産の所在地

◆登記地番と住居表示

 不動産の所在地の表わし方には、登記地番と住居表示があります。地番は1筆の土地ごとにつけられています。広告や売買契約書に記載されるのは登記地番です。不動産の所有者が誰かあるいは抵当権があるかどうかなどは登記を見なければ分からないからです。
 たとえば、次の[A]は登記地番で、[B]は住居表示番号です。

[A] 東京都千代田区九段南3丁目18番地4
[B] 東京都千代田区九段南3丁目7番7号

登記地番
◆団地の所在地

 大きな団地の場合は、たくさんの区画がありますから、その団地の中心地とか入口などの区画の地番だけを代表地番として表示されます。団地が2以上の市町村にまたがっている場合は、区画によって通学できる学校が異なったりしますので自分の希望する区画はどの自治体に属するかをよく確認しましょう。

6.交通の利便

◆徒歩所要時間

 道路距離80メートルを1分として計算し、1分未満の端数は切り上げて表示されます(たとえば、810m÷80=10.125分→11分)。なお、信号待ちや坂道などは考慮されません。
 大きな団地の場合、駅やスーパーマーケットまでの徒歩時間は、販売する部分の最も近いところが起点として表示されます。

◆電車、バスの所要時間

 運行ダイヤによる時間が表示されますが、待ち時間や乗換え時間は表示されません(待ち時間等が含まれない旨は明記されます。)。
 ラッシュ時には日中時より時間が多くかかる路線がありますが、この場合は「○○駅まで快速で40分(ラッシュ時。日中時は30分)」などと表示されます。
 また、バス便の場合には、「○○駅からバス○分、停留所下車、徒歩○分」と表示されます。ただし、鉄道未整備地域ではバス停名とそこからの徒歩時間が表示されますが、バス便もない場合は、最寄駅からの道路距離が表示されることがあります。

 鉄道会社が公表した新設予定駅は、その整備予定時期を明らかにして表示されます。なお、公表していない場合は、勝手に電車の予想所要時間を表示してはならないことになっています。

所要時間

7.面積

◆土地の面積

 土地の面積は、水平投影面積で表示されます。水平投影面積とは、下図のように凹凸や斜面の土地でも、その土地が水平だとして測った面積をいいます。

土地面積

 分譲宅地や新築分譲住宅の場合は、「敷地面積/142m2〜210m2」などと最小面積と最大面積だけで表示されます。
 土地面積のほかに私道負担部分の面積があるときは、「土地面積/120m2(ほかに私道12m2あり)〜140m2(ほかに私道18m2あり)」などと表示されます。1平方メートル当たりの価格を比べるときは私道部分を除いた面積で計算してください。

◆建物の面積

 建物の面積は、延べ面積で表示されます。延べ面積とは各階の床面積の合計面積で、2階建ての場合は1階、2階の合計面積です。
 床面積とは、建物の壁などの区画の中心線で囲まれた部分の面積をいいます。つまり、壁の厚さの半分は面積に含まれます。
 また、バルコニー、ベランダなどの面積は含まれません。

 一戸建住宅の場合は床面積がそのまま登記されますが、マンションの場合は専有部分の壁の内側の部分の面積が登記されます。これは、壁は入居者全員の共有部分になるため一人の名義では登記できないからです。
下図の場合、広告や契約書ではc×dが表示されますが、登記される面積はa×bとなります。

建物面積

 マンションでは専有部分と専用部分がありますが、専有部分とは自分だけのものになる部分で、専用部分とは自分だけのものではないが自分だけが使用できる部分のことで、バルコニーや専用庭などがこれに当たります。

◆間取り

 間取りについて、たとえば「和6、4.5、洋8、DK8」と表示された場合は、6畳と4畳半の和室と、8畳相当の洋間とダイニングキッチンがあることを意味します。

 「2DK」とか「3LD・K」と表示されますが、「2DK」は寝室が2部屋に一体型のダイニングキッチンがあることを、「3LD・K」は寝室が3部屋に相互に独立したリビングダイニングとキッチンがあることを意味します。また、DKやLDKの広さの具体的な基準はありませんが、その機能を有するためにはDKは4畳半以上(1DKの場合)、LDKは10畳以上(3LDKの場合)を目安として表示するよう指導しています。

 居室等の広さを畳数に換算する場合は、原則として1畳は1.62m2以上(壁心面積)として計算します。畳の大きさには統一規格がなく、部屋の形と広さに合わせて作られます。
 このため、中古住宅の場合には、1畳当たりの面積が原則に満たないものについて、「畳1枚当たり1.54m2」などと表示される場合もあります。

8.地目

 地目は、土地の用途(利用状況)を表わします。広告には登記されている地目が表示され、現況がこれと異なるときは「地目/山林(現況宅地)」などと表示されます。登記上の地目を表示するのは造成地の以前の利用状況を知る手がかりとするためです。
 たとえば、田や池沼であった土地を造成した場合は、地盤改良をした上で造成し数年そのまま放置して地盤の固まるのを待つ必要がありますし、田や畑であれば農地法の転用許可を受けているかどうかも調べる必要があります。

9.青田売りと主たる設備の概要

◆青田売りとは

 新築住宅や分譲マンションは工事の完了前に販売されるものも多いのですが、これを青田売りといいます。青田売りの場合には建築確認番号、工事の完了による入居予定年月、主たる設備の概要などが表示されます。
 業者が売主の場合、代金の5パーセント(完成済の場合は10パーセント)か1,000万円を超える手付金等を受領するときは、手付金等の保全措置をして保証会社や銀行など、国土交通省が指定した保証機関が発行する保証書等を交付することになっていますから、必ず受け取ってください。

◆建物の工事の完了

 建物本体の工事が完了し、電気、ガス、上下水道などが整備されており、すぐにその建物を使用できる状態、つまり入居できる状態になったことをいいます。

◆主たる設備の概要

 青田売りの場合、どのようなものが造られるかが表示されます。
 新築分譲住宅の場合は、排水施設、上下水道施設、汚水の処理方法、道路の幅と舗装の状況、ガス設備など、新築分譲マンションの場合は、ガス、厨房などの設備や建物の主要構造部の材質、内装、外装の材質や塗装の方法、集会室などの整備状況、エレベーターの基数、駐車場の台数とその利用条件など主たる設備の概要が表示されます(一部の項目はパンフレット以外の広告には表示されていない場合があります。)。
 なお、建築材料の一部を強調して表示するときは、「桧造り。和室の柱は檜を使用。」などとその材料が使われている部位を明確にして表示されます。

10.新築と建築年月

 新築とは、建築後1年未満で、一度も入居されたことがないものをいいます。たとえ1年未満でも一旦入居されたものは新築とはいえません。建物の建築年月は、新築か中古にかかわらず、いずれも表示されます。
 なお、未完成の建物については入居予定年月が表示されます。

11.団地の規模とその施設

◆開発面積、総区画数、販売区画数

 団地全体の大きさはどのぐらいか、どのような施設が団地内につくられるかは、とても重要なポイントになります。開発面積や総戸数・総区画数などで大きさを知ることができます。

 開発面積は、開発する団地全体の総面積をいい、道路、学校、公園、病院などの用地も含まれます。

 総区画数は、団地内のすべての区画数をいい、過去に販売済みの区画、現在広告して販売中の区画(販売区画数)、将来販売する区画の全部を表示します。大きな団地の場合は多少変更となることがあります。広告には、分譲宅地の場合、総区画数と販売区画数が表示されます。
 新築分譲住宅の場合は分譲宅地と同じ要領で、総戸数と販売戸数が表示されます。

 団地型の分譲マンションの場合には、広告時に実際に販売しようとする建物ごとに、たとえば、「A棟=総戸数75戸・販売戸数74戸、B棟=総戸数70戸・販売戸数70戸」等と表示されますが、管理員室や事務所等については「総戸数70戸、ほかに管理員室、集会室各1戸あり。1階は全フロア事務所および店舗となっています。」等と表示されます。

◆団地内の公共・公益施設

 団地全体を一つの商品とみることができますが、この場合、学校、図書館、診療所などの公共・公益施設の有無やその内容は、商品の品質内容を表すものといえます。
 団地内の施設が未完成のときは、その完成(整備)予定時期が明示されますが、大きな団地の場合は、当初予想できなかった事情によって、多少遅れたり、内容が少し変わることもあります。

12.環境

◆団地外の公共・公益施設

 団地の外にある学校、病院、市役所、公会堂などの公共・公益施設は、広告する時に現に利用できるものを物件までの道路距離を明らかにして表示されます。ただ、広告時には利用できなくとも、工事中であったり、国や県などの公共団体が建設を決定しているものは、現に利用できるものと併せて表示する場合に限り、その整備予定時期を明らかにして表示してもよいことになっています。
 学校は、近いかどうかに関係なく、地元の教育委員会で通学区域を定めるものですから、広告では、通学できる学校が表示されます。

◆団地外の商業施設

 デパート、スーパーマーケット、商店等の商業施設については、現に利用できるものを物件までの道路距離を明示して表示されます。ただし、工事中であるなどその施設が将来確実に利用できると認められるものにあっては、その整備予定時期を明らかにして表示することができることにしています。

◆環境のマイナス要素

 当然のことですが、住まいとしてよい環境と悪い環境とがあります。たとえば、買ったマンションの隣に大きな建物がたち、日当たりや風通しが悪くなることがありますし、近くに鉄道や高速道路が建設され騒音に悩まされることもあるでしょう。このように、住まいとして好ましくないものが将来出現することが客観的にはっきりしているときは、パンフレットに必ず表示することになっていますから、よく読んでください。
 特に、市街地型のマンションは、工場跡地に建設されることがあり、周囲には騒音や煤煙などの発生する工場が残っていることがありますから、よく現地をみることが大切です。

 パンフレットのほかにできるだけ詳しい地図を用意しておくことも必要です。
 現地にはできるだけ平日に行くことをおすすめします。日曜、祝日などには工場は休みなのが普通ですから、平日でなければ本当の環境がわからないでしょう。

◆環境の良し悪しは一概にはいえない

 普通、幼稚園、学校、公園などはよい環境の部類に入りますが、すぐ近くにあると子供の声がうるさいと思う人もいるでしょう。公園の場合でも夜、暴走族の集合場所になったりして悪い環境になるかも知れません。
 反対に墓地が近くにあっても緑がたくさんあって好まれる人もいるでしょう。

 環境の良し悪しの判断は人によって違いがあるものです。よく検討して物件を選びたいものです。

13.写真・完成予想図

 物件の写真は、広告するときに実際に販売するものでなければ掲載してはならないことになっています。ただ、建物が建築工事の完了前であるなどの事情がある場合は、実際に販売する建物と同じものであれば、他の物件の写真をその旨を明らかにして使用できることになっています。モデル・ルームの写真も同様です。他の建物の外観写真の場合、建物本体は同じでも門、塀、植栽などが実際に販売する建物と異なることの方が多いのですが、この場合はその旨を表示することになっています。

 完成予想図は、事実と違う表示でなければ建物本体のみを描けばよく、周囲の建物などまでは描かなくてもよいことになっています。完成予想図は、実際のものよりもよく見えるのが普通ですから、絵にまどわされず、現地の周囲の状況をしっかり確認しておきましょう。

14.価格

◆価格の表示の仕万

 宅地の価格は、1区画の総額(上下水道施設・都市ガス供給施設のための費用等を含みます。)を表示し、マンションや一戸建て住宅の価格は敷地の価格を含んだ1戸当たりの総額で表されます。
 また、住宅の敷地が借地のときは、その借地権の種類(普通借地権、定期賃借権など)、借地権の価格、借地期間、地代(1か月単位)、保証金、権利金等などの条件も明示されます。

 分譲宅地、新築分譲住宅、分譲マンションの場合は、区画(戸)数が多いので新聞広告などでは、全部のものの価格を表示することが難しいときがあります。この場合は、一番安い価格と一番高い価格(いずれも電気、上下水道および都市ガス供給施設のための費用を含みます。)のほかに、販売数が10区画(戸)以上の場合は100万円単位(高額な物件の場合は、任意に単位を設定できることになっています。)でみて一番多い価格帯(最多価格帯)とその区画(戸)数が表示されます。
 たとえば、

価格/2,650万円〜3,390万円 最多価格帯/2,900万円台(28戸)

と表示されます。
 なお、消費税の課税対象物件の場合は、「価格/3,060万円(消費税込み)」等と消費税を含んだ総額を表示することになっています。価格に含まれる消費税額は契約締結時までに書面により明示されます。

◆二重価格表示・割引表示

 「相場の20%引き」などの表示を二重価格表示といいますが、これは原則として禁止されています。その理由は、不動産は同じものが二つとなく他のものと比較できないからです。
 しかし、次の二つの場合は、事実であり、他の不動産会社の物件との比較でもないので、例外的に二重価格表示が認められています。

[1] 旧価格(値下げの3か月以上前に公表され、かつ、値下げ前3か月以上にわたり実際に販売していた価格であることが明らかなもの。)を比較対照価格とする場合で、次のアからウに掲げる要件のすべてに適合するとき
 旧価格の公表時期及び値下げの時期を明示したものであること。
 値下げの時期から6か月以内に表示するものであること。
 建築後2年以内の建物で、居住したことがない建物についての表示であること。
[2] 代金の全額を自己資金で支払うとか、新婚6か月以内の者など、一定の条件に適合する買主または借主に対し、販売価格、賃料等から一定率又は一定額の割引をする場合において、当該条件を明示して、割引率、割引額又は割引後の額を表示するとき。

15.予告広告

 予告広告とは、販売(賃貸)戸数や価格等の取引条件以外の情報を消費者になるべく早く知らせるためのものです。
 予告広告は、分譲宅地、新築分譲住宅、新築分譲マンション、新築賃貸マンション、新築賃貸アパートしか認められていません。実際に販売を開始する本広告に先立ち、その販売(取引)開始時期をあらかじめ知らせる広告ですから、この間にゆっくりと検討することができます。

 業者は、価格(賃料)が確定したときに本広告をしますが、この広告を見逃すこともありますので、予告広告の時点で資料請求をしておくと便利です。価格(賃料)が決まったら直接資料を送ってもらえます。予告広告には、次の5つの事項が必ず表示されます。

  1. 予告広告である旨
  2. 価格もしくは賃料(入札・競り売りの場合は、最低売却価格または最低取引賃料)が未定である旨または予定最低価格(賃料)、予定最高価格(賃料)および予定最多価格(賃料)帯
  3. 販売予定時期または取引開始予定時期
  4. 本広告を行うまでは、契約または予約の申込みに一切応じない旨および申込みの順位の確保に関する措置を講じない旨
  5. 予告広告をする時点において、すべての予定販売区画、予定販売戸数または予定賃貸戸数を一括して販売(取引)するか、または数期に分けて販売(取引)するかが確定していない場合は、その旨および当該予告広告以降に行う本広告において販売区画数、販売戸数または賃貸戸数を明示する旨

16.住宅ローン

 住宅ローンには、銀行、信託銀行、信用金庫、農業協同組合等の融資のほか住宅金融支援機構のフラット35があります。不動産広告では、住宅ローンについて表示するときは、次の1.から4.の事項を明示することになっています。

  1. 金融機関名又は種類(都市銀行、地方銀行、信用金庫等)
  2. 「提携ローン」か「紹介ローン」の別
  3. 融資限度額
  4. 借入金の利率および利息を徴する方式(固定金利型、固定金利指定型、変動金利型、上限金利付変動金利型等の種別)または返済例(借入金、返済期間、利率等の返済例に係る前提条件を併記。)

 住宅ローンの返済例には、ボーナス併用払いの場合もありますが、その場合は、1か月当たりの返済額の表示とともに、ボーナス時に加算される返済額を明示することになっています。
 4.の返済例の表示にあって、その返済額は、「固定金利型」以外、借入期間を通じて確定されているものではありませんから、注意が必要です。たとえば、金利が比較的低めに設定されている3年固定金利指定型の住宅ローンの場合は、当初3年間のみ返済額が確定していますが、それ以降の返済額はその時点では決まっていません。

 フラット35は、最長35年間固定金利の住宅ローンになりますので、35年間返済額はずっと同じになります。

 「変動金利型」の場合は、定期的(年2回)に金利の見直しが行われますが、返済額は5年間は同じになります。ただし、5年の間に生じた金利の変動分は6年目以降の返済額で調整されます。

 住宅ローンを利用するには、この金利以外にも負担する費用があります。
 金融機関により異なりますが、団体信用生命保険料、ローン保証料、火災保険料、融資手数料、ローン事務手数料、抵当権設定費用等です。これらの費用は事前に担当者に聞いて概算費用を確認しておきましょう。
 たまに、郵便受けに投函されているチラシに「他社で断られた方」、「自己資金のない方」、「ローンが組めないと思っている方」、「勤続年数が短い方」、「他の借金でお困りの方(内緒の借金がある方)」、「こんな方も・・・あきらめないで!」等と書いて、いかにも、この不動産会社を通せば、確実に融資を受けられるかのように表示しているものが見受けられますが、実際には、通常の住宅ローンによる融資を受けることはできないでしょう。こんな言葉に惑わされてはいけません。

 契約に当たっては、提携、紹介を問わず、もし融資が受けられない場合は、売買契約は白紙になり、手付金なども全額戻すことを定めた条項(ローン特約条項)が契約書に明記されていることの確認が必要です。

17.用途地域、建ぺい率・容積率

 用途地域には、第1種低層住居専用地域、第2種低層住居専用地域、第1種中高層住居専用地域、第2種中高層住居専用地域、第1種住居地域、第2種住居地域、準住居地域、近隣商業地域、商業地域、準工業地域、工業地域、工業専用地域の12種類があります。
 建築基準法では、用途地域ごとに、建築できる建物の種類、建ぺい率、容積率、北側斜線制限、建築物の高さ制限などの規制をしています。
 12種類の用途地域のうち、工業専用地域にだけは、住宅が建てられません。

 建ぺい率とは、建築面積(建坪のこと)の敷地面積に対する割合をいい、用途地域と建築する建物の種類などによってその最高限度が定められています。たとえば、敷地が120平方メートル、建ぺい率が40パーセントのとき、建築面積は、48平方メートル(120m2×40%)以下にしなければなりません。

  容積率とは、延べ床面積の敷地面積に対する割合をいいます。たとえば、敷地が120平方メートル、容積率が80パーセントのとき、延べ床面積は、96平方メートル(120m2×80%)以下にしなければなりません。

18.利用の制限や欠陥のある物件

 都市計画法、建築基準法その他の法令による重大な利用の制限や物理的な物件の欠陥(瑕疵)があるものや、消費者にとって著しく不利益となる事項について、明確に表示するよう義務付けています。このような物件は、欠陥のない普通の物件に比べ、利用価値や資産価値はかなり低いものです。悪質な業者は瑕疵があることを隠して「おとり広告」にしばしば利用しています。
 ですから、一見して安い物件は何らかの欠陥があるのではないかと疑ってみる必要があります。案内された物件が瑕疵物件だったら、他の物件をすすめられても見ないで帰った方がよいでしょう。そんな業者は信用できません。

◆市街化調整区域の士地

 市街化調整区域内の土地は、原則として造成工事を行ったり、住宅などを建築することはできないという厳しい制限があります。一定の要件に適合すれば都市計画法に基づき認められる場合がありますが、これは例外的なものです。
 このため、広告には、市街化調整区域の土地については、「市街化調整区域。宅地の造成及び建物の建築はできません。」と、原則として16ポイント以上(約5.6mm四方の大きさ)の文字で表示することとし、さらに、文字による表示はもちろん、写真や絵図等による表示によっても、あたかも住宅を建築することができるかのように誤認される表示を禁止しています。

◆山林、原野などの現況有姿分譲地

 山林や原野などを造成工事をしないで販売することを現況有姿分譲といい、市街化調整区域の土地分譲はこれになりますが、市街化区域や都市計画区域外にも現況有姿分譲地はあります。
 現況有姿分譲地には、電気、ガス、水道などの生活施設は一切ありませんから仮りに住宅を建てたとしても生活することはできないのです。

◆道路づけの悪い欠陥物件

 建築基準法では、原則として、幅員4メートル以上の道路に、敷地の間口が2メートル以上接していなければならないものと定めています。この規定に適合していない場合は、建物を建てるときに必要とされる建築確認を受けられません。
 このような物件については「再建築不可」、「建築不可」と表示することにしています。
 代表的なものに次のようなものがあります。

  [1]道路に2m以上接していないもの。
  道路付けの悪い欠陥物件
  [2]2m以上接しているが、法律上の道路には接していないもの。
  道路付けの悪い欠陥物件
  [3]敷地が道路に全く接していないもの。
  道路付けの悪い欠陥物件
  [4]2m接しているが、路地状部分(色付部分)の幅員とその長さの関係の制限が地方公共団体の条例で定められていて、これに不適合のもの。
  道路付けの悪い欠陥物件
  (注)[4]の制限は、地方公共団体によって異なります。制限してないところもあります。東京都の場合の制限は、次のとおりです。
路地状部分の長さ 路地状部分の幅員
建物面積200m2未満 建物面積200m2以上
20m以下 2m以上 3m以上
20m超過 3m以上 4m以上

 いずれも現地に行けば大体は分かりますが、建築確認が受けられるかどうかは、市役所、区役所などの建築行政の担当課で調べられます。

◆路地状部分が30パーセント以上の物件

 路地状部分(上記[4]参照)のみで道路に接する土地であって、その路地状部分の面積が全体の土地面積のおおむね30パーセント以上を占めるときは、その土地の利用が制限されますから、その旨及びその割合または面積を表示することになっています。

◆セットバックを必要とする物件

 敷地は幅員4メートル以上の道路に接していなければならないのが原則ですが、例外として幅員4メートル未満の道であってもよい場合があります。このような道路は、建築基準法42条2項に規定されていることから、「2項道路」とか「みなし道路」といわれています。「2項道路」に接している場合は、原則として道路の中心線から2メートル後退した線が道路と敷地の境界線とみなされます。後退(セットバック)する部分は、道路として取り扱われますから、建て替えなどの際にはその部分は、建ぺい率や容積率の基礎数値から除外されます。下図の場合、点線部分が境界線、色付き部分がセットバック部分となります。
 セットバックを必要とする場合はその旨を表示し、セットバック部分の面積が概ね10%以上である場合は、その面積も表示することにしています。

セットバック
◆傾斜地を含む物件

 おおむね30パーセント以上の傾斜地を含む土地については、傾斜値を含む旨およびその割合または面積を表示することにしています(分譲マンションおよび別荘地等を除く。)。ただし、30パーセント以上を占めるか否かにかかわらず、傾斜地を含むことにより土地の有効利用が著しく阻害される場合(マンションを除く。)には、その旨およびその割合または面積を表示することにしています。

◆がけ上・がけ下の物件

 土地が擁壁(ようへき)によっておおわれないがけの上又はがけの下にあるときは、その旨を表示することにしています。なお、地方公共団体によっては、条例により、建物の主要構造部分を鉄筋コンクリート造にするなどの処置が必要となる場合があります。

◆高圧線下にある物件

 土地の全部又は一部が高圧電線路下にあるときは、その旨及びそのおおむねの面積を表示することとしています。通常は、その部分に電力会社の地役権が設定されます。高圧線下部分の土地に、建物その他の工作物の建築が禁止されているときは、併せてその旨を明示することとしています。

◆その他

 朽廃した建物が存在する土地は、「売地。ただし、古家あり」等と、沼沢地や湿原、泥炭地等、土地の利用が著しく阻害される不整形画地、計画道路にかかっている土地等については、その旨を表示することにしているほか、建築工事着工後、工事を相当期間にわたり中断していた新築住宅や分譲マンションについては、着工時期や中断していた期間を明示することとしています。

19.建築条件付の士地

 自己の所有する土地を販売するに当たり、その土地に自己の指定する建設業者(建設業者を指定しない場合もあります。)との間に、一定期間内に建物を建築することを停止条件(または解除条件)とするものを「建築条件付土地」といいます。土地のみの販売はされません。なかには建物のプラン例(間取図)を大きく掲載するなどして、新築住宅の広告のように見えるものもありますので注意してください。契約は、土地については売買契約、建物については建築請負契約の2つになります。

 この建築条件付土地取引に関して広告に表示する場合は、[1]取引の対象が建築条件付土地である旨、[2]建築請負契約を締結すべき期限および[3]建築条件が成立しない時は、土地売買契約は、解除され、土地の買主から受け取った金銭はすべて遅滞なく返還する旨が表示されるほか、建物の設計プランを示すときは、参考のための一例でこのプランを採用するか否かは、土地購入者の自由である旨、建物価格などが表示されます。

建築条件付売地の表示例

20.士地の利用を制限する法律

 土地は、所有者でも全く自由に使ってよいものではなく、民法では「法令の制限内に於て自由」に扱うことができるとされています。
 そして、種々の法律によって、土地の利用が制限されています。その目的は、都市の健全な発達と整備を図ったり、自然環境を守ったり、あるいは、有効な土地利用を図り、人間が安全にそして快適に住めるようにすることにあります。
 土地の利用を制限する法律の主なものは次のとおりです。

  1. 都市計画法
  2. 建築基準法
  3. 宅地造成等規制法
  4. 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律
  5. 農地法
  6. 自然公園法
  7. 土地区画整理法
  8. 森林法
  9. 砂防法
  10. 土地収用法、など。

 このような法律によって宅地の造成や住宅の建築が制限または禁止されているのに、その旨を広告に表示しないときは不当表示として規制されますが、宅地建物取引業法は、不動産会社にこれらの制限の内容を「重要事項説明書」で契約する前に購入者へ説明することを義務付けています。

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