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道路付けの悪い物件、傾斜地がある物件、高圧線下の物件、地形が悪い物件などの表示方法

 都市計画法、建築基準法その他の法令によって宅地造成や建物の建築又は再建築が制限されている物件、あるいは物理的な欠陥がある物件は、通常、他の欠点のない物件に比べ価格が安いため、この欠陥を表示しないときは価格について有利誤認を消費者に与える不当表示又は物件の品質内容について優良誤認を消費者に与える不当表示となります。
 不動産公正取引協議会において開催している規約違反に対する事情聴取会の案件のうち、これらの欠点を表示しない事例が多く見受けられます。
 表示規約第13条において、「事業者は、一般消費者が通常予期することができない物件の地勢、形質、立地、環境等に関する事項又は取引の相手方に著しく不利な取引条件であって、表示規約施行規則8条で定める事項については、それぞれその定めるところにより、見やすい場所に、見やすい大きさ、見やすい色彩の文字により、分かりやすい表現で明りょうに表示」するよう義務付け、これを表示していないものに対しては表示規約第23条各号中に該当する不当表示として取り扱うこととしています。
 なお、ここでは16項目ある規定のうち9項目を紹介しています。

  1. 市街化調整区域内の土地
  2. 道路に適法に接していない土地
  3. 路地状部分で道路に接する土地
  4. セットバックを要する土地
  5. 古家等がある土地
  6. 高圧線下の物件
  7. 傾斜地を含む土地
  8. 著しい不整形地等
  9. 都市計画道路の区域内にかかる土地
 市街化調整区域内の土地(施行規則第8条第1号)
     市街化調整区域に所在する土地については、都市計画法第29条、第43条によって開発行為や建物の建築が原則として禁止されています。このような土地については「市街化調整区域。宅地の造成及び建物の建築はできません。」と16ポイント(5.6mm四方の大きさ)以上の文字で明示しなければなりません(ただし、新聞・雑誌広告における文字の大きさはこの限りではありません。)。
 時々、「現在は宅地の造成及び建物の建築はできません」等と表示している例が見受けられますが、この表示は、近い将来において建物の建築が可能となるものであると誤認されるおそれのある不当表示に該当しますので表示してはなりません。
 道路に適法に接していない土地(施行規則第8条第2号、第3号)
     建築基準法42条に規定する道路に2メートル以上接していない土地及び同法40条に基づく地方公共団体の条例により付加された敷地の形態(いわゆる敷地延長)に対する制限に適合しない土地には、建物の建築が禁止されています。
 このような土地については「建築不可」と、中古住宅等の場合は「再建築不可」と明示しなければなりません。ときどき、「不適合接道」、「道路位置指定なし」等といった表示が見受けられますが、これでは明示したとは認められません。
 路地状部分で道路に接する土地(施行規則第8条第4号)
     路地状(敷地延長)部分のみで道路に接する土地であって、その路地状部分の面積が当該土地面積のおおむね30パーセント以上を占めるときは、路地状部分を含む旨及び路地状部分の割合又は面積を「土地/150m2(路地状部分約50m2(約33%)含む)」等と明示しなければなりません。
 セットバックを要する土地(施行規則第8条第5号)
     建築基準法42条第2項で規定する道路に接する物件については、建物を建築又は再建築する場合には、原則として道路の中心線から2メートル後退(セットバック)しなければならないと規定されています。このため、規則では、この『みなし道路(2項道路)』に接する物件については、セットバックを要する旨を明示することとしています。
 さらに、セットバックを要する部分の面積が土地面積(正味面積)のおおむね10パーセント以上となる場合は、「再建築時にはセットバック(約18m2)を要します。」等とその面積も表示しなければなりません。
 古家等がある土地(施行規則第8条第6号)
     廃屋など住宅として使用することができない建物がある場合はもちろん、住宅として使用できる中古住宅のある土地について、あえて「土地」として広告表示する場合も、現況に建物がある旨(古家がある旨)を表示しなければなりません。
 高圧線下の物件(施行規則第8条第8号)
     土地の全部又は一部が高圧線下にあるときは、その旨とおおむねの面積を明示しなければなりません。また、建物その他の工作物の建築が禁止されているときは、その旨も併せて「土地180m2(約30m2は高圧線下。高圧線下部分は建物等の建築不可)」等と明示しなければなりません。
 傾斜地を含む土地(施行規則第8条第10号)
     傾斜地を含む土地であって、傾斜地の割合が当該土地面積のおおむね30パーセント以上を占める場合(マンション及び別荘地等を除く。)は、傾斜地を含む旨及び傾斜地の割合又は面積を明示すること。ただし、傾斜地の割合が30パーセント以上であるか否かにかかわらず、傾斜地を含むことにより、当該土地の有効な利用が著しく阻害される場合(マンションを除く。)は、その旨及び傾斜地の割合又は面積を明示しなければなりません。
 ここでいう傾斜地には、擁壁や法地、敷地延長部分の階段も含まれます。
 また、「法面30%含む。」、「法地100m2含む。」などと表示している場合がありますが、これらの表示では、一般の消費者には理解できませんから、「傾斜地」、「傾斜部分」等と表示してください。
 なお、どの程度の傾斜度のものを傾斜地というかについては特に規定がありませんが、建物を建築する際に、特別の基礎工事が必要な場合など、現状のままではその土地の有効な利用が阻害されると認められる程度のものが該当します。
 著しい不整形地等(施行規則第8条第11号)
      土地の有効な利用が阻害される著しい不整形画地、区画の地盤面が二段以上に分かれている等の著しく特異な地勢の土地については、その旨を例えば、
  • 「売地 土地面積/200m2 ※この土地は2段宅地(120m2と80m2部分・高低差約3m)です。」
  • 「この土地の形状は三角形です。」
  • 「土地面積/225m2 ※この土地の形状は間口が5m、奥行が45mの細長い土地です。」
等と明示しなければなりません。
 なお、不整形地等が著しいか否かは、その旨が明示されていないことにより、当該土地が整形地であって土地の有効利用が阻害されないものであると一般消費者が誤認するかどうかで判断されます。
 計画道路の区域内の土地(施行規則第8条第13号)
     道路法第18条第1項の規定により道路区域が決定され、又は都市計画法第20条第1項の告示が行われた都市計画道路等の区域にかかる土地については、建物等の建築が制限されているため、道路予定地内にある旨を「都市計画道路区域内」、「この土地は都市計画道路にかかっています。」等と明示しなければなりません。
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