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◆公取協通信第282号(平成29年9月号)

8月の業務概況

○公正競争規約研修会

 当協議会は、会員団体等が主催する公正競争規約研修会に講師として職員を派遣しています。8月度は、次のとおり9会場・749名を対象として実施されました。

 
開催日 主催 対象者 参加者数 開催地
8月1日 野村不動産アーバンネット株式会社 社員 57名 新宿区
8月2日 CJS TOKYO株式会社 社員 55名 新宿区
8月3日 公益社団法人全日本不動産協会埼玉県本部 新入会員事業者 34名 さいたま市
8月3日 公益社団法人全日本不動産協会東京都本部 新入会員事業者 164名 千代田区
8月22日 一般社団法人群馬県宅地建物取引業協会 会員事業者 43名 伊勢崎市
8月24日 神奈川県「知っておきたい不動産取引の知識説明会」 一般消費者 101名 横浜市
8月28日 東海不動産公正取引協議会 賛助会員・役員 57名 名古屋市
8月28日 公益社団法人全日本不動産協会東京都本部 会員事業者 95名 小金井市
8月29日 一般社団法人岡山県宅地建物取引業協会 会員事業者 143名 倉敷市

不動産広告の相談事例

 会員事業者、広告会社等から、不動産広告に関して寄せられた相談事例等のうちから、8例を紹介いたします。

【Q1】建物の完成予想図について

 建物の完成予想図を掲載する場合、隣接する建物や前面道路にある電線や電柱については、必ず表示しなければならないのでしょうか。
 それとも、削除しても問題はないでしょうか。

⇒ 表示規約施行規則第10条第23号では「宅地又は建物の見取図、完成図又は完成予想図は、その旨を明示して用い、当該物件の周辺状況について表示するときは、現況に反する表示をしないこと。」と規定し、「現況に反する表示」を禁止しています。
 したがって、物件の周囲の状況について表示する場合には、隣地に建物が立ち並んでいるにもかかわらず、樹木を描いたり、空き地であるかのように描いたり、前面道路にある電柱や電線を消したりすれば、当然、この規定に違反する不当表示に該当しますので、行ってはなりません。
 ただし、建物と敷地のみを描き、隣地や前面道路等、物件の周囲の状況については全く描かずに『白抜き』とした場合には、この規定に違反するものとしては取り扱われません。
 なお、物件周囲の『白抜き』部分を青色で塗り、周囲に青空が広がっているかのように描いた広告に対し、物件の周囲に建物が密集しているのに、空き地であるかのように描いた不当表示として措置したケースがありますので、ご注意ください。
 また、敷地内の植栽が、実際には、苗木であるのに、成木で描いていたりする場合がありますが、この場合も不当表示となります。

【Q2】鍵交換費用に複数の種類がある場合の表示方法について

 賃貸住宅の賃貸借契約を締結するに当たり、鍵交換費用を必要としますが、3種類の鍵の中から選択してもらうこととしています。それぞれ額が異なるのですが、不動産情報サイトの文字数制限もあり、記載しなくてもよいでしょうか。

⇒ 表示規約では、当初の契約時からその期間満了時までに必要な費用を要するときは、その費目及びその額を記載することと規定しており、鍵交換費用も当然広告に記載する必要があります。

  ご質問の場合は、3種類の異なる鍵交換費用の中から顧客に選択させるとのことですが、貴社で任意に1種類を選び、その費用のみを記載しても問題ありません。

【Q3】最寄駅からの徒歩所要時間が、販売住戸によりかなり差がある場合の表示方法について

 総戸数100戸の新築分譲住宅を販売しておりますが、残りが14戸となったところで、最寄駅からの徒歩所要時間が、最も近い住戸(徒歩3分)と最も遠い住戸(徒歩10分)とでは、7分とかなり差がある状況となりました。
 「販売戸数14戸」と記載して、販売広告を実施しますが、この場合、最も近い住戸の徒歩所要時間のみを記載しても問題はないでしょうか。

⇒ 表示規約施行規則第10条第9号では「団地(一団の宅地又は建物をいう。以下同じ。)と駅その他の施設との間の距離又は所要時間は、それぞれの施設ごとにその施設から最も近い当該団地内の地点を起点又は着点として算出した数値を表示すること。ただし、当該団地を数区に区分して取引するときは、各区分ごとに距離又は所要時間を算出すること。」と規定していますが、ご質問のケースは、最寄り駅からの徒歩所要時間が、最も近い住戸と最も遠い住戸との差が7分もあり、著しく違うものです。
 一般消費者は、ここまで差があるとは想定できないと考えられますので、最も近い住戸の徒歩所要時間のみを記載した場合には、不当表示に該当するおそれもあります。
 したがって、ご質問のように著しく差がある場合には、「Y駅徒歩3分(12号棟)〜徒歩10分(83号棟)」等と幅をもたせて表示すべきです。

【Q4】元付業者の図面どおりに広告した場合における違反表示の広告主の表示責任について

 元付業者の業者間情報図面に、最寄駅からの徒歩所要時間が「X駅徒歩5分」と記載されているので、このとおり記載して不動産情報サイトに広告を掲載したところ、不動産公取協から、X駅からの実際の徒歩所要時間は8分であるとの指摘を受け、当社でも計測したところ、そのとおりでした。
 しかし、そもそもの原因は元付業者が誤った情報を提供したことにあり、当社は、そのとおり広告したにすぎません。このような場合でも、広告の違反の責任は当社が負うことになるのでしょうか。

⇒ 結論から申し上げますと、広告の違反の責任は貴社にあります。
 確かに、貴社としては、元付業者から入手した情報図面の内容を信用して広告したものであり、間違った表示の原因は元付業者にありますが、当該広告の表示の主体者は、あくまでも貴社であり、元付業者の図面の間違いを理由に表示の責任を回避することはできません。
 以上のことから、今後は、業者間情報図面に記載された内容が表示規約に照らして問題がないかどうかを精査し、記載された内容に表示規約に違反するものがあれば、これを修正して広告するなど、十分注意して広告してください。
 なお、元付業者から情報図面を受けた客付業者が、図面の社名部分を、自らの社名に変更して、一般消費者に手渡すことがありますが、その図面の表示に表示規約違反があった場合には、その表示責任は図面に名前がある客付業者となりますので、ご注意ください。

【Q5】建築確認申請中の物件を友の会会員に対し電子メールで広告することについて

 当社の友の会会員に対して、新築分譲住宅の広告を考えていますが、現在、建築確認申請中です。
 しかし、いち早く会員の方に情報提供したいので、電子メールで通知したいと考えておりますが、問題はないでしょうか。

⇒ 友の会会員に対する電子メールによる広告であっても表示規約の規制対象となります。
 ご質問の広告は、建築確認を受けていないので表示規約第5条の広告表示の開始時期の制限に違反するものであり、行ってはなりません。建築確認を取得した後に行ってください。

【Q6】新築住宅1戸を建築確認の受付番号を記載して予告広告を行うことについて

 新築住宅1戸を新聞折込チラシで予告広告を実施する予定です。現在、建築確認申請中であり、まだ建築確認番号は交付されていませんが、建築確認の受付番号の交付を受けておりますのでこの番号を記載して、予告広告を実施することは可能でしょうか。

⇒ 予告広告であっても、表示規約第5条の広告表示の開始時期の制限の規制を受けます。ご質問の物件は、建築確認を取得していませんから、同条の規定に違反するものとなりますので、行ってはなりません。
 また、建築確認番号として、受付番号を記載して広告することはできませんし、万が一、広告した場合には、あたかも建築確認を受けた建物を取引するものであると誤認される不当表示にも該当します。
 さらに、予告広告については「分譲宅地、新築分譲住宅、新築分譲マンション、新築賃貸マンション又は新築賃貸アパートであって、価格等が確定していないため、直ちに取引することができない物件について、その本広告(第8条に規定する必要な表示事項をすべて表示して物件の取引の申込みを勧誘するための広告表示をいう。)に先立ち、その取引開始時期をあらかじめ告知する広告表示をいう。」(表示規約第4条第6項第3号)と規定し、新築分譲住宅(販売戸数が2戸以上のものをいう。)でないと実施できませんので、建築確認を受けていたとしても販売戸数が1戸のみの場合には、予告広告は行えませんので、ご注意ください。

【Q7】「商談中」の物件を広告することについて

 中古住宅を仲介として広告を行っていますが、複数の顧客から商談を受けております。いずれも購入の申込みを受けたものではありませんが、ある不動産情報サイトの担当者から、「商談中」の場合も、一旦削除してほしいと言われました。当社としては、申込みが入っているわけではなく、契約に至っているわけでもないので削除する必要はないと考えておりますが、いかがでしょうか。

⇒ 購入の申込みを受け、事実上、契約見込み者を決定した物件であれば、契約済み物件と同様に広告を削除(非掲載)する必要がありますが、ご質問のケースは、購入の申し込みを受けたものではなく、「商談中」の段階とのことですので、このまま広告を継続しても問題ありません。

【Q8】サービス付き高齢者向け住宅の広告について

 広告会社ですが、サービス付き高齢者向け住宅の広告作成の依頼を受けました。広告の必要事項等について、貴協議会に相談することはできますか。

⇒ 「サービス付き高齢者向け住宅」(略称:サ高住)については、国土交通省と厚生労働省が所管する「高齢者の居住の安定確保に関する法律」に基づく事業となりますので、広告の相談については、国土交通省、厚生労働省又は都道府県の担当部署にお尋ねください。
 なお、広告作成に際しては、公益社団法人全国有料老人ホーム協会が策定した「有料老人ホームの広告等に関する表示ガイドライン」に準拠する必要があります。
 このガイドラインは、公正取引委員会が行った警告事例等を踏まえて策定されたものです。

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