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不動産広告の相談事例(表示規約)

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二重価格表示

1過去の販売価格を比較する二重価格表示の要件が変わると聞きました。変更内容を具体的に教えてください。

過去の販売価格を比較対象価格とする二重価格表示については、従来の表示規約施行規則では、過去の販売価格で「3か月以上」にわたり広告・販売した実績がないと実施できないこととしていましたが、2022年9月1日施行の新施行規則では、この期間を「2か月以上」に短縮することとしました。また、過去の販売価格の意義についても、「値下げの直前の価格」と規定し、明確化しました。なお、このほかの要件については、次のとおりですが、基本的には大きな変更はありません。

①過去の販売価格の公表日と値下げした日を明示すること、②過去の販売価格の公表日から二重価格表示を実施するまで物件の価値に同一性が認められること、③値下げの日から6か月以内に実施すること、④現況有姿分譲地(山林、原野等の非宅地分譲地)や共有制リゾートクラブ会員権は対象外であること(実施できない)。

参考までに表示例を掲載します。

【表示例】 販売価格 4,000万円 → 3,500万円
(旧価格公表日:2022年7月1日 値下げ日:2022年9月4日)

2賃貸住宅の取引で礼金1か月の場合は賃料10万円、礼金ゼロの場合は賃料10万5千円と表示することは可能でしょうか?

お尋ねの表示は、取引条件に応じて対価が2つあるということですから、表示規約でいう二重価格表示には該当しませんので、その表示が事実である限り問題はありません。

32年契約の賃貸住宅の家賃から毎月1万円をキャッシュバックしたい

お尋ねの場合は、一見、値引きの一種である「キャッシュバック」にみえますが、賃貸借契約期間が2年間の賃貸住宅の家賃を契約期間の全期間において毎月1万円キャッシュバックするということは、すなわち実際の家賃が月額9万円であり、これを安く見せかけるために10万円という架空の家賃を比較対照価格とした不当な二重価格表示に該当するおそれが強いものと考えられますので、行うことはできません。

4新築分譲マンションの売れ残り住戸(20戸)を一括して買い取り、前売主が販売していた価格を値下げして新たに販売する場合、前売主が販売していた価格を比較対象とした二重価格表示は可能でしょうか?

お尋ねの表示は、規則第12条第2号〔比較対照価格に用いる過去の販売価格は、値下げの直前の価格であって、かつ、値下げ前2か月以上にわたり実際に販売のために公表していた価格であること。〕及び第5号〔土地(現況有姿分譲地を除く。)又は建物(共有制リゾートクラブ会員権を除く。)について行う表示であること。〕に適合するとみられますので、第1号の「過去の販売価格の公表時期及び値下げの時期」を明示して二重価格表示を行うことができます。

しかしながら、この規定による二重価格表示は、通常、売主に変更がない状況で行われていますが、お尋ねの場合は、売主が変更されており、また、貴社は過去に旧価格でこのマンションを販売していた実績がありませんから、広告には、前売主から買い取って販売するものである旨を併せて表示する必要があるでしょう。