※ 契約トラブル等のご相談は受け付けておりません。

不動産広告の相談事例(表示規約)

ホーム  >  相談・違反事例  >  特定用語の使用基準

特定用語の使用基準

1「新築」や「DK」「LDK」などの用語の使用基準はありますか?

表示規約第18条第1項は、次の(1)から(6)までに掲げる用語を用いて表示するときは、それぞれ「当該各号に定める意義に即して使用しなければならない」と定めています。また、(3)及び(4)の用語については、「広さの目安」も定めています。

(1) 新築

「建築後1年未満であって、居住の用に供されたことがないもの」に限り、新築という用語を使用することができます。

時折、「売買契約を締結した後、購入者名義で登記してしまったが、購入者が一度も住むことなく解約となり、再度、販売することになったが、建築後1年経過していないので新築と表示できるか」という相談が寄せられますが、この用語の意義に反しない限り、登記していたとしても使用することができます。

なお、「建築後1年以上経過しているけれども、未入居の物件はどう表示すればよいか」という相談も寄せられますが、表示規約では「中古」という用語の意義は定めていませんので、「未入居戸建」等と表示すればよいでしょう。

(2) 新発売

「新たに造成された宅地又は新築の住宅(造成工事又は建築工事完了前のものを含む。)について、一般消費者に対し、初めて購入の申込みの勧誘を行うこと(一団の宅地又は建物を数期に区分して販売する場合は、期ごとの勧誘)をいい、その申込みを受けるに際して一定の期間を設ける場合においては、その期間内における勧誘」をいいます。

(3) ダイニング・キッチン〔DK〕

「台所と食堂の機能が1室に併存している部屋をいい、住宅(マンションにあっては、住戸。)の居室(寝室)数に応じ、その用途に従って使用するために必要な広さ、形状及び機能を有するもの」をいいます。

(4) リビング・ダイニング・キッチン〔LDK〕

「居間と台所と食堂の機能が1室に併存する部屋をいい、住宅(マンションにあっては、住戸。)の居室(寝室)数に応じ、その用途に従って使用するために必要な広さ、形状及び機能を有するもの」をいいます。

DK及びLDKの最低必要な広さの目安となる基準
居室(寝室)数 DK LDK
1部屋 4.5畳 8畳
2部屋以上 6畳 10畳

(5) 宅地の造成工事の完了

「宅地上に建物を直ちに建築することができる状態に至ったことをいい、当該工事の完了に際し、都市計画法その他の法令による工事の完了の検査を受けることが必要とされるときは、その検査に合格したこと」をいいます。

(6) 建物の建築工事の完了

「建物をその用途に従い直ちに使用することができる状態に至ったこと」をいいます。
「使用することができる状態に至った」とは、ガス、水道、電気等が整備され、住むことができる状態に至ったことをいいます。

2不動産広告で使用が制限されている用語はありますか?

表示規約第18条第2項は、次の(1)から(6)までに掲げる用語を用いて表示するときは、それぞれ「その表示内容を裏付ける合理的な根拠を示す資料を現に有している場合」を除き、その用語を使用してはならないと定めています。
「合理的根拠」とは、表示内容が客観的に実証することができることをいいます。
また、これに加えて、(4)及び(5)の用語については、その表示内容の根拠となる事実を併せて表示する場合に限り使用することができると定めています。
この基準中に掲げた「用語」は例示列挙ですから、ここに例示したもの以外の用語であっても、これらの用語に類するものであれば、同様に規制されます。また、これらの用語を、その表示内容を裏付ける合理的な根拠を示す資料を現に有しないのに使用した場合は、本条に違反するほか、表示規約第23条(その他の不当表示)の規定にも違反する場合があります。

(1) 物件の形質その他の内容又は役務の内容について、「完全」「完ぺき」「絶対」「万全」等、全く欠けるところがないこと又は全く手落ちがないことを意味する用語

これらの用語は、物件の品質又は役務の内容が完全無欠である、あるいは役務の提供方法に全く手落ちがないことなどを意味するものですが、現実にはこのような状態にあることは極めて困難です。従って、「完璧な施工をした」とか、「震度7の地震でも絶対に倒壊しません」などと表示する場合、これを客観的に実証することはまず不可能でしょう。
しかし、例えば、物件の形質が完全無欠であることを目指して、種々の品質管理体制をとっており、この品質管理システムによっても形質に問題がある物件を供給した場合には、第三者機関による品質保証システムにより、不具合を解消する体制をとっている等の表示をした場合、その一連の表示内容が事実であり、それらの供給システムが社会通念上適切であると認められる場合は、この基準に直ちに違反するとはいえないと考えられます。

(2) 物件の形質その他の内容、価格その他の取引条件又は事業者の属性に関する事項について、「日本一」「日本初」「業界一」「超」「当社だけ」「他に類を見ない」「抜群」等、競争事業者の供給するもの又は競争事業者よりも優位に立つことを意味する用語

例えば、「当社は、○○団地の仲介取扱い実績は平成○年度第1位です」等と表示する場合は、その地域の他社の実績や地域全体の取引実績等を客観的な調査手法で実証されている必要があります。

(3) 物件について、「特選」「厳選」等、一定の基準により選別されたことを意味する用語

一定の基準により選別したという事実がないのに「特選」等と表示する場合のほか、その基準自体が物件の優良性を裏付けることができる客観的な合理性がない基準により選別した場合があります。
極端な違反例としては、物件の品質内容についてまったく判断せず、ただ単に価格が周辺相場に比べて安いというだけで、再建築ができない物件や著しい不整形地である物件などを「特選物件」等と表示する場合などがあります。
これら用語を使用したい場合には、選別基準を具体的に表示する=セールスポイントにもなるので以下の表示例を参考にしていただければと思います。

〈表示例〉

【特選 中古住宅情報】
ここでご紹介している10物件は、すべて次の条件を満たしています。
◆幅員が5m以上の南道路に面していて、間口は9m以上あります
◆土地面積は120m2以上あります
◆土地の形状は、ほぼ方形です
◆建物は建築後5年以下のものです
◆物理的、法律的な利用の制限はありません

(4) 物件の形質その他の内容又は価格その他の取引条件に関する事項について、「最高」「最高級」「極」「特級」等、最上級を意味する用語

これらの用語は、その表示内容を裏付ける合理的な根拠を示す資料を現に有している場合であっても、その表示内容の根拠となる事実を併せて表示する場合に限り使用することができます。
しかし、物件そのものの品質その他の内容について、これらの用語を使用できるケースはきわめてまれであると考えられます。一般的には、次の表示例のように、設備や部材の品質についてであれば限定的に使用できるものと考えらます。

〈表示例〉

◆○○社の最高級システムキッチン○○型を設置
◆浴槽は大理石。イタリア・○○産の最高級品を使用

(5) 物件の価格又は賃料等について、「買得」「掘出」「土地値」「格安」「投売り」「破格」「特安」「激安」「バーゲンセール」「安値」等、著しく安いという印象を与える用語

(4)と同様、これらの用語も、その表示内容を裏付ける合理的な根拠を示す資料を現に有している場合であっても、その該表示内容の根拠となる事実を併せて表示する場合に限り使用することができます。
一般的に、価格や賃料は市場によって決定されるものであり、他の類似物件に比べて著しく安い価格・賃料で供給されることはまずあり得ません。
どんな商品であっても、相場よりも著しく安いものは必ずその理由があります。偽ブランドや傷物である場合は、たとえ安くとも価格に見合った(場合によっては高すぎる)価格であって、「格安」「激安」ということにはなりません。

(6)物件について、「完売」等著しく人気が高く、売行きがよいという印象を与える用語

新築分譲マンションなどで数期に分けて販売した場合に、第1期の販売分に売れ残りがあるのに、「第1期完売御礼! いよいよ第2期販売開始」などと表示しているものはこの基準に違反する表示に該当します。

 

3「○○マンション No.1の資質!」と表示したい

「○○マンション No.1の資質※」と表示するとともに、その根拠として「※当マンションは、過去10年間、△△エリアで、A駅から徒歩10分以内・総戸数100戸以上・全戸75m2以上・南向き・自走式駐車場全戸分設置という条件をすべて充たす唯一のマンションです。」と表示したいようですが、「No.1」との文言は、表示規約第18条第2項第2号の特定用語に該当し、根拠として表示された条件は、○○マンションのみがすべての条件に合致するように恣意的に選んで設定したものと考えられ、このような条件による根拠は、同項に規定する「当該表示の内容を裏付ける合理的な根拠」とはいえませんので、このような表示をすることはできません。

したがって、このような調査に基づいて「○○マンション No.1の資質」と表示した場合には、実際のものよりも優良であると誤認されるおそれのある表示となり、不当表示に該当します。